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shigemooによる自己啓発を中心とした書評を綴ったブログです。

生きる意味とは?諸富祥彦「生きていくことの意味」に学ぶ【書評】

こんにちは。shigemooです。

今回は、諸富祥彦さんが書かれた「生きていくことの意味」を解読していきます。

 

トランスパーソナル心理学とは

トランスパーソナル心理学とは、ヴィクトール・フランクルらを中心とした心理学のひとつの領域であり、人生に対する考え方を深める心理学です。

トランスパーソナル心理学は「つながり」について説いています。

ここで、つながりとは、「社会とのつながり」「過去の世代や将来の世代とのつながり」「大自然とのつながり」など、様々なものを指します。

トランスパーソナル心理学が説いているのは、「自分への執着を捨てよ、そしてつながりに目を向けよ」ということです。

どういうことでしょうか。

それは、現代人が抱える心の傷や魂の渇き、空虚感は、こうした「つながり」を見失い、個人がバラバラになってしまったことから生まれてくるからです。

したがって、現代人のゆがんだ生き方を変えることは、「個を越えたつながり」の回復によってしか成しとげられないというのがトランスパーソナル心理学の言い分です。

それでは、どうすればよいのでしょうか。

それは、自分中心という執着した生き方を捨て、個を越えたつながりへと自分を開くことによって、向こうから発せられる「呼びかけ」に応えて生きて行け、というものです。すなわち、「自分」中心の生き方から「呼びかけ」中心の生き方へシフトせよ、ということです。

また、トランスパーソナル心理学は次のように指摘します。

すなわち、「人生のすべての出来事には意味がある。人生のプロセスは私たちが気づくべき大切なメッセージを運んできてくれている」というものです。ここからも、様々な出来事との「つながり」を見出すことが出来ます。

生きる意味とは

私たちは、人生を「自分のしたいこと」をしていく場だと捉えています。

確かに、したいことをするのは悪くありません。

しかし、「幸福になりたい」という思いはときに暴走し、どれだけ努力しても満足できないという状況を作り出してしまうことにもなります。

つまり、幸福は、それを求めれば求めるほど、逃げて行ってしまうのです。

それではどのように生きればよいのでしょうか。

フランクルはこう指摘します。

すなわち、「私のしたいことをするのが人生だ」という人生観から、「私のなすべきこと、私がこの世に生まれてきたことの、意味と使命とを実現していくのが人生だ」という人生観へと人生観を転換すること。このことが、「私は為すべきときに為すべきことをしている」という深い生きる意味の感覚に満たされて生きていくために必要なのだと説きます。

そしてこのことから、人生の諸問題には意味があると捉えることができます。

病気やトラブルといった出来事を通して、人生が私に、何かを問いかけてきているはずだと考えるのです。

つまり、この人生で起こる出来事は、たとえそれがどんなにつらい出来事であっても、それが起こるからには意味があり、何かに気づき学ぶよう促してきているはずである。人生とは、私たちにとって、そのような学びや気づきを得ていく成長の機会であり、試練の場であると考えるのです。

「自分のしたいこと」ではなく「人生が自分に求めてきていること」を見つけて取り組んでいくこと。それが、私たちが生きる意味を実感しながら生きる道だとフランクルは指摘します。

自分の弱さと向き合う

私たちの心には、様々な面があります。

よい面もあれば、認めたくない悪い面もあります。

しかし、自己肯定感を高める上では、これらすべてを認める必要があります。

なぜなら、これらすべてが「私」を形成しているからです。

それでは、認めたくない悪い面や感情も認めるためには、どうすればよいのでしょうか。

カウンセリングにおいては、それらを一旦すべて受け止め、言語化します。否定も肯定もしないのです。

それによって、自身の内部における感情が相対化され、より小さな扱いやすいものになることで、受け入れることができるようになります。

カール・ロジャースが「無条件の受容」を説くのも、こういった意味があるからです。すなわち、

相手のどんな感情も、その人の大切な一部としてしっかり認め、受け止めることで、その人自身もその感情を「自分のもの」として認めることができるようになる。つまりその感情は、自分の全部ではなく「自分の一部」であることがわかるようになる。それによって、その感情はその人の内部で「収まってくる」のです。

悩みや問題は人生の大切なメッセージ

悩みや問題があったとき、人はどのように対処するのでしょうか。

著者は、大きく三つのパターンに分かれるといいます。

一つ目は、問題解決型・闘争型のアプローチ。もう一つは逃避型のアプローチ。そして最後に、気づきと学び型のアプローチがあります。

プロセス指向心理学においては、第三の考え方、すなわち、気づきと学び型のアプローチをとります。

これは、人生でぶつかる悩みや問題を、自分自身の成長の機会ととらえ、気づきや学びを得ようとする姿勢です。

いわば、人生の流れを自覚することで、人生が自分に与えてくれているものに着目し、意識し、目覚めようという態度です。人生を一種の主体として見ていることから、前述のトランスパーソナル心理学とも関連があると言えます。

さて、あなたはどのアプローチを取りますか?

 

以上では、トランスパーソナル心理学の枠組みについて概要を述べました。

いかがだったでしょうか。

私は、「人生でぶつかる悩みや問題を、自分自身の成長の機会ととらえ、気づきや学びを得ようとする姿勢」という考え方に衝撃を受けました。

最後までお読みいただきありがとうございました!