日日是研鑽

shigemooによる自己啓発を中心とした書評を綴ったブログです。

青砥瑞人「ブレインドリブン」に学ぶ【書評】

こんにちは。shigemooです。

今回は、青砥瑞人さんの書かれた「ブレインドリブン」を解読していきます。

神経科学とは、神経系を、細胞や分子の機構からひも解く学問です。

本書は、神経科学が新たに示してくれる叡智を、哲学や心理学でこれまで育まれてきた叡智と照らし合わせる「応用神経科学」としての試みです。

今回は、「ストレス」に絞って解説していきます。

ストレスを知る必要

人間の脳は、ストレスによってパフォーマンスが下がることがある一方で、パフォーマンスが高まる場合もあります。

つまり、ストレスにはいい点もあれば悪い点もあるのです。

また、一人としてストレスの反応の在り方、感じ方が同じ人はいないのです。

そのため、ストレスとうまく付き合ううえでも人間関係を高めるうえでも、まずは自他のストレス反応のあり方を同一視しないことが重要となります。

もう一つ重要なのは、自分自身のストレスを知る必要がある点です。

一人ひとりでストレスに対する反応が違うため、自分のストレスは自分で知っておかなければ対応できません。

自分で自分のストレス反応を俯瞰的に捉えることは、自分自身の身を守るため、より高いパフォーマンスを発揮するため、他人とのコミュニケーションを円滑に行うためにも欠かせません。

ストレスの原理

ストレスには直接的な原因があるわけではありません。

なぜなら、物事の捉え方は人によって異なるからです。

したがって、ある外的な要因は「間接的なストレスの原因」と呼ばれます。

ストレスを深く理解するためには、間接的な原因と直接的な原因にわけて考える必要があるのです。

間接的なストレスの原因となる刺激のことを「ストレッサー」といいます。

このストレッサーは二つに分類されます。

一つは外部からの刺激がストレスの間接的な原因となる「外刺激由来のストレッサー」、もう一つは思い返すことによる「内刺激由来のストレッサー」です。

一方、直接的な原因はなんでしょうか。

ストレッサーが私たちに作用すると、それに伴った反応が身体内・脳内で駆け巡ります。

このストレッサーによって導かれる身体内・脳内での変化を総称して「ストレスメディエータ」といいます。

ストレスの媒介というわけです。

そして、その脳内、身体内の変化であるストレスメディエータが発露した状態を認識した状態が、ストレスです。

つまり、ストレスの間接的な原因は、「人の感じ方」を通して初めてストレスとなるのです。

ストレスを認識する

なぜストレスに気づくことが重要なのでしょうか。

それは、ストレスがないと言い続けている人の方が、うつ病になりやすいからです。

つまり、ストレスメディエータを認識できないのです。

一方、「ストレスがある」と認知できた状態が、私たちがストレスとしてラベリングしている状態になります。

内部環境の変化に気づくためのサリエンス・ネットワーク(脳の状態のひとつ)を使って、身体の内側からの声にしっかりと耳を傾ける必要があるのです。

さらに重要なのは、ストレス反応を起こしたとしても、私たちの体にはある程度自動的に元の状態に戻そうとする働きが備わっているということです。

これを「恒常性(ホメオスタシス)」といいます。

だとすると、内部環境が乱されストレス反応が起きたとき、それを元通りにするやり方は、恒常性を脳の観点から見ることでヒントが得られると著者は言います。

つまり、脳が自律的にやってくれるストレスマネジメントのあり方を神経系の仕組みから捉えることで、意識的に活用できるようになるのです。

適切なストレス

人間にとって、適切なストレスは必要だと言われます。

ストレス反応に伴って放出されるコルチゾール、ノルアドレナリン、ドーパミンが前頭前皮質、海馬、扁桃体にフィードバックされるのが、私たちの脳にとって重要だと考えられているからです。

コルチゾール、ノルアドレナリン、ドーパミンが前頭前皮質に作用すると、注意力や集中力が高められることがわかっています。

また、アイデアを自由に出す発散思考ではなく、収束的で論理的な思考法は、一定のストレスがあった方が効果が高まります。

さらに、記憶定着効率も高まります。

一定のストレスを感じているくらいの方が、学習や仕事の生産性に影響を与え、記憶力、思考力、集中力を高めることがわかっています。

ポイントは、自分がやりたいことを前提として、やらなければならないタスクから受けているストレス反応であるならば、私たちの注意力や記憶定着効率は高まりやすいということです。

ストレスは、上手に扱えば敵ではなくなります。

避けた方がいいストレス

やりたいこと以外から受けるストレス

一つ目は、適切なストレスの裏返しです。

つまり、「やりたいこと以外から受けるストレス」です。

私たちはふとした瞬間に、無意識に嫌な出来事を思い出していたり、あら探しをしたりするものです。

意図せずに無意識的に、望ましくないストレッサーを取り込んでいる可能性があります。

過剰すぎるストレス

二つ目は、過剰すぎるストレスです。

ストレスが過剰になると、前頭前皮質の機能が停止します。思考などをつかさどる前頭前皮質を停止させ、闘争・逃走モードにさせるのです。

例えば、前頭前皮質のdmPFCという部位は、「現実的にどうなのか」と考える機能を持っています。

これが使えなくなると、現実的ではない選択をしやすくなります。

つまり、冷静な環境下では現実的な選択や間違いの判定ができる人も、過剰なストレス下ではそれができなくなってしまうのです。

また、dlPFCという部位が使えなくなると、思考停止状態となります。

極度の緊張などによってストレス反応が高まると、考えたいのに考えられなくなり、視点が定まらなくなって挙動不審になるのです。

さらに、rlPFCという部位が使えなくなると、不適切なことをやってしまうことになります。

他にも様々な弊害があります。

慢性的なストレス

三つ目は、慢性的なストレスです。

慢性的なストレスは、私たちの脳にとって非常によくありません。

コルチゾールが出続けている状態に置かれると、海馬に影響を与え、細胞を委縮させるからです。

具体的には、ストレスを思い返すと慢性になります。

つまり、反芻思考です。

脳内には常に一定以上のコルチゾールが停滞しているため、とても健全な状態とは言えません。

慢性的なストレス状態に陥らないためにも、サリエンス・ネットワークを起動させ、自分の内側から「何かがおかしい」と知らせてくれる体の反応に耳を傾けることが必要です。

まとめ

いかがだったでしょうか。

この本を一言で言うと、「神経科学と実践の融合知」です。

良い本ですので、ぜひお手に取って読んでいただければと思います。

ストレスの他にも、モチベーションやクリエイティビティについても述べられています。

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最後までお読みいただきありがとうございました!