日日是研鑽

shigemooによる自己啓発を中心とした書評を綴ったブログです。

リッツァの「マクドナルド化」という概念

今回は,前回の続きである。

引き続き,マックス・ウェーバーが考察した官僚制について見ていく。

マックス・ウェーバーが官僚制に関する分析を行って以来,現代社会に関する様々な研究が現れた。

マクドナルド化する社会

今回は,この一つとして,社会学者ジョージ・リッツァが発表した「マクドナルド化する社会」について解読していく。

リッツァは「マクドナルド化」について,「ファストフード・レストランの諸原理がアメリカ社会のみならず世界の国々の,ますます多くの部門で優勢を占めるようになる過程」と定義している。

ところで発表された当時は,冷戦終結後,グローバル化が進展すると言われている時代であった。

マクドナルド化,というのは,すなわちグローバル化であるという意味合いも含んでいることに注意する必要がある。

マクドナルドのシステム

四つの性格

マクドナルドのシステムは,効率性・合理性を追求したものであった

つまり,官僚制の極致が見て取れる。

リッツァは,マクドナルドのシステムに,次の四つの性格を見出した。

  1. 効率性
  2. 計算可能性
  3. 予測可能性
  4. 制御

順に説明していく。

効率性

マクドナルドの従業員は,会社の規則に従って,効率的に作業している。

従業員だけでなく,消費者も効率的である。

例として,ドライブスルーが挙げられている。

計算可能性

マクドナルドで重視されるのは,販売商品の分量,費用,そして提供する時間の迅速さという「量」である。

また,商品の名称に関しても,量的な設定が目立つ。

予測可能性

マクドナルドの商品とサービスは,世界中,いつどこで買っても同じであることが保証されている。

消費者は,その意外性の無さを快適に感じており,従業員はマニュアルに従って行動しているので,すべてが予測可能である。

制御

マクドナルドで食事をしている人間は,店によって制御されている。

また,従業員も,教えられた通りに仕事をこなすように規定され,作業ラインに従って機械的に作業をしている。

また,様々な観点で機械化が進んでいる。

マクドナルドの非人間性

ウェーバーは,官僚制の問題点として,非人間的であることを上げたが,リッツァもまた,マクドナルド化は反人間的あるいは脱人間的なシステムになる傾向にあると指摘している。

従業員の観点からは,完全にマニュアル化された仕事をこなすだけであるため,自由度が低いということが挙げられる。

一方消費者の観点からは,どこへ行っても均質かつ万人向けの食べ物が出てくるという点で,意外性がない。

さらに,従業員と消費者との関わりも希薄化することからも,その非人間性を推し量ることができる。

逆機能

以上の脱人間性は,効率性を徹底した結果だが,皮肉なことに,非効率性の原因にもなっている。

どういうことだろうか。

これは前回扱った「逆機能」によって説明できる。

例えば,ファストフードは,健康への悪影響というコストも含めて考えると,決して安いとは言えない。

また,ファストフード店の従業員は,その単調でやりがいを欠いた仕事に対して不満を抱きがちで,それが高い離職率や欠勤率となって現れている。

つまり,効率性を追求した結果,非効率になるという,ロバート・マートンが指摘した官僚制の逆機能が起きているのだ。

マクドナルド化とグローバル化

マクドナルド化とグローバル化は,等しいものであると言って過言ではない。

すなわち,企業がグローバルに成功するためには,そのビジネスをマクドナルド化する必要があるということである。

さらに,マクドナルドのシステムは官僚制と等しい。

しかし,リッツァが指摘したように,マクドナルド化は脱人間性を伴う。

つまり,グローバル化もまた官僚制の蔓延であり,脱人間性を伴うということが言えるのだ。

まとめ

  • マクドナルド化とは,効率性を追求することである
  • マクドナルドには,四つの性格がある
  • マクドナルド化は脱人間性を伴い,逆機能をももたらす
  • グローバル化はマクドナルド化,すなわち官僚制の蔓延に等しい